手を動かす、物事を文字記号として具体的に捉え自分で表現する事

体を動かす事で次第に良くなるという事は先に記事にしましたが、それをさらに深めて話すとリハビリの事に近づいてきます。そうアナログに手を使う事が脳へ大きな刺激を与えるという事です。

アナログなことをする・・・これはもしリハビリ経験者さんであれば良くやったかと思います、自分も色々とアナログな事をして来ました。

まずその中で「自分の考えを文字にする事」が脳への訓練の一つとなります。そうコレは脳への訓練なのです。手を動かす=アナログ。そして自分の記憶を文字という記号へ文章化変換し表現すると言う事、コレが大事です。

人間記憶と言うのはすぐに曖昧になってしまいます、これは普通の人でも一緒です。それが自分の場合最初本当に2,3分ですぐ何したのかわからなくなってしまっていました。じゃぁそれをどうするかというと、曖昧な所を明確に、抽象的のを具体的にしていくのです。

もちろん抽象的なのは自分の記憶、何を何処で動やったのか、それを文字という記号で具体的に、アナログに書き出していきます。自分が何をやったのか、自分が何を考えたのか、それを文章化していく事でもやもやしていた記憶をだんだんとはっきりと具体化していくのです。

この抽象的なイメージを具体化していくについてはまずは様々な段階を得て進めなくてはいけないでしょう。例えば患者さんに「りんご」を見せて、これは何と問います。患者さんはまだ記憶障害や物体把握が出来てない場合はりんごと書けないでしょう。だけどこれを「りんご」だと言うのを教える事ができます。この物体は「りんご」だと。

まず物体が「りんご」と患者さんが把握できたら、それはそのものが「りんご」という昔の記憶に連結できたか、あたらしく、「りんご」というのに記憶が生成されたかどちらかです。この際それはどちらでも良くて、問題は目の前の物体が「りんご」とちゃんと把握出来たことでしょう。

問題はココからです。ではそのただの「りんご」がどのようなものなのかを更に細かく把握してもらいます。その「りんご」が何りんごなのか、まずは教えて行きましょう。見た目はどうなのか、患者さんに表現してもらいます。普通の人でもそうですが、いま「りんご」と話しているだけで自分の体験から引っ張ってきた「りんご」の曖昧なりんごのイメージがあるだけです。それはまだ具体的ではありません。

その患者さんに見せている「りんご」が何りんごなのかまだ何も教えてませんから、勝手に赤いりんごをイメージされているかもしれませんが、その患者さんの前にあるのは青いりんごかも知れません。そこら辺をさらに患者さんに具体的に表現してもらいます。

リハビリ:「目の前の物はなんですか?」
患者さん:「りんごです」
リハビリ:「何色ですか?」
患者さん:「赤いです」
リハビリ:「何処のりんごですか?」
患者さん:「わかりません」
リハビリ:「これは青森から持ってきたりんごです」
患者さん:「これは青森から持ってきた赤いりんごなんですね」
リハビリ:「ではそれを文字に書いてみましょう」

という風に少し少しですがその目の前のモノを具体的に捉えられるようにしていきます。文字を使って細かく表現すればするほど抽象的だった「りんご」というのが具体化されていきます。具体化する事で頭の中のバラバラになった記憶をつなぎ合わせて再構築し、頭の中でイメージしやすくする。これが記憶のリハビリの一つとなります。

これは一番最初の段階で、さらに大きさや切り方、味等の体験を得てもらって、それを文字で具体化してみると

「目の前のりんごは手のひらに入るほどの大きさで(訳10センチ)青森産の赤いりんごです。それを包丁で4つ切りにし、皮をむいて食べました。味はやや酸っぱく、もう少し熟すると甘く美味しい味になると思います」

ただの「りんご」という単語から一つ一つ具体化していき、一つの文章にまとめる事をする事で患者さんの頭のなかにあった「りんご」というイメージが目の前の物体とリンクするのです。そうやって患者さんの頭の中を整理していきます。作り直して行きます。

またそれに時間の概念、「1月4日に作業療法士さんからみせられた」等の事を文中に組み込むと書き出した「記憶」は「記録」になります。そこがまた重要な所ですね。まだ記憶を上手に出し入れ出来ない患者さんがこれを使う事でこの記憶を文字という記録に残し、それを引っ張りだす、または上書きする事が可能です。

この文字を利用すると記憶障害の面で大きく生活が変わると思います。そうやって日記をつけることで自分の中のイメージを具体化出来る。さらに文字という表現で残す事で何をしたのか見返す事、記録することで忘れても思い出す事ができる。

記憶を忘れるのは普通の人も同じです。やることを紙に書き出して忘れてもそれを見て効率的に思い出し、行動する人だって沢山います。TODOリスト等まさにそうですよね。だから高次脳機能障害で記憶障害を持っている人、自分もそうでしたがそこから始め、イメージ記憶を具体化し、文字記憶として表現し、自分の生活の為に利用していくのです。

手を動かし、物事を捉え、文字記憶に変換し、表現する事で残すのはそれをやるだけで様々なリハビリとなっています。だからまず最初は自分が何をしたのか、記憶記録として日記を付けるのがいいんですよね。

記憶回復を進めるのであれば、まず自分が何をしたのか、日記を付けてみましょう。

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